西小山にやってきた

武蔵小山で夫と二人、ブーランジェリーロラソを10年やっていました。


地元の方はお分かりかと思いますが、ロラソの立地は人通りが少なく、パン屋にとってはとても難しかったです。移転もずっと考えていましたが、お金もかかるし一体どんな場所だったらやっていけるのか、自信を持てずにいました。

そして10年もなんとか潰れないでいられたのは、何よりお客様のお陰。そのお客様たちとお別れするのが寂しかった。ロラソの周りにはお店も無く、わざわざロラソにパンを買いに来るためにお客様は足を運んでくれる、ロラソが目的地でした。本当に有難い、ありがとうございました!!

煮え切らない私たちを動かしたもの、

1.家賃の値上げ

2.柴田さんのスカウト


武蔵小山はタワマンバブル。ロラソの家賃も上がることになり、それは私たちには払えない額でした。それでも決断できずにいたので、専門家の方に本格的な商圏調査をお願いしました。「ここで10年できたなら、他でもできますよ。商売ってもっと楽で楽しいですよ!」私たち二人には、衝撃のアドバイスでした。マジか!!いよいよか!!

と同じころ、ローランが来日してパン屋でバイトを始めた時に同僚だった、パティシエの柴田さんと飲みに行ったローラン。柴田さんは独立してお店を出したいそうで、「パンも売りたいからローラン、一緒にお店やらないか?」

ロラソ10年目、ロラソの看板を続けていくべきか、もっと自由に仕事してもいいのか???


「シバタとお店やろうかな。それも楽しいよね。」

「えー、じゃあ、私もお店持とうかな。」

柴田さんは大田区で物件を探していたので、ロラソのお客様ともそう遠くはならない。私は、おばあちゃんになっても仕事がしていたくて、小さなスナック(乾きものじゃなくて、おやつが出るんだけど)を持ちたいなと思っていたから、まさかやっちゃおうかなってタイミング??!!と思いながら、物件探しを始めました。

この間、コロナの緊急事態宣言が出たりして、柴田さんのお店の話も一旦保留。私たちも、少し様子を見ようとロラソ解約通知(3月の予定でした)を保留しましたが、解除されて6月とうとう解約の決意。9月末に退去です。

その6月、ウソみたい、今までロラソ移転を想定して物件探しをしていたときは全く見つからなかったのに、ふらっと、「すみませーん。店舗物件探しているんですが。。。」って入った不動産屋で、まさかのヒット。ここです、アミカルモンの場所。

「西小山ってどうですか?」西小山でイタリアンを営んでいるシェフに聞いてみると、「いいよ~、西小山」「本当に?!」「おいでよ!!」実は彼のこの一言、結構背中押されました。

柴田さんも大田区から新店舗候補範囲を広げて、品川区、目黒区へ。実は現アンティエの場所、ロラソの移転を考えてローランと二人で見に行った場所でした。「シバタも見てみたら?」

こうして、まさかのローランとアキコが、西小山の西口と東口をまたいで仕事することになったのです。アンティエさんは、柴田さんがオーナーシェフ。ローランは、パンのシェフで、パン部門を全て任されています。ロラソではないので、ロラソのパンそのものというのは少ないですが、柴田オーナーも材料や環境へのこだわりがあるので、ローランは彼のパンのクオリティを落とすことなく作っています。バゲットは今回新たにレシピを起こしたものです。もちろん、天然酵母、長時間発酵。

こうして、ロラソのお客様は西口から東口、もしくは東口でお茶して西口など、ハシゴして下さる方がたくさんいらっしゃいます、どうもありがとうございます。


実は私がこの地を離れたくなかった理由がもう一つあります。

長くなるので、また次回。





Café Amicalement     カフェ アミカルモン

パティシエ母さん・アッコの、お菓子の美味しさと楽しさを共有するカフェです。 たまごは平飼い、マーガリン・ショートニングは使いません。

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