西小山にやってきた つづき

私がこの地を離れたくなかったもう一つの理由


私の祖父、おじいちゃんが商売をしていた場所だからです。

おじいちゃん、高橋栄吉さんは品川区小山で大工をしていました。80過ぎまでなんやかんや働いていたので、50年以上なのかな、高栄建設(苗字と名前を一文字ずつ取ったにしては、いい名前)という表札が出ていました。60歳を過ぎて宅建合格したり、社交ダンスにハマっていたこともあった、釣りも行ってたな。クリスチャンで毎週日曜日は午前中ミサに行っていて、自宅1階が職場で休みなく仕事してたみたいだから、遊びに行ってもそんなにたくさんおじいちゃんと話した思い出はないです。弟がおじいちゃん子だったな。ただ、ロラソオープンにあたって、おじいちゃんは本当に楽しそうだった。ロラソはおじいちゃんの弟子なのかな、そのまた弟子の方が施工してくれました。そうだ、一緒に合羽橋も行った、地下鉄の階段がしんどいのに。その時にハンバーガーを一緒に食べたのも、初めてだったかな。打合せとか、ランチする機会もあって、戦後静岡で塩作ってたとか、そうだったの!おじいちゃん!!て。ロラソで使っていたパン棚などの什器(アミカルモンに持ってきています)は、おじいちゃんが設計して、大工友達のまだ現役だったおじいさまが作ってくれました。オープンした後も、裏の荷物掛けをつけにきてくれたり(これもアミカルモンに持ってきてる)、おじいちゃんが通ってる接骨院とかデイサービスの人に宣伝してくれたり、パンをお土産に持って行ってくれたりしてた。甘いのが好きで、カスタードクリームとお砂糖たっぷりのパンが好きだったな、甘党。私もおじいちゃんが喜んでくれてるから、嬉しかった。本当は繁盛店にしたところを見せられればよかったんだけど、2017年年末、私がクリスマスケーキの準備で悲しむ暇が無いようにしてくれたのかな、他界しました。

おじいちゃんのすごいところは、さらに続きました。

おじいちゃんは、サレジオ教会の仕事をしていて、教会の椅子とか棚とか、幼稚園のロッカーとか作っていました。おばあちゃんは、家のものはなかなか直してくれないのに、教会から頼まれるとすぐに飛んで行くんだから!ってぼやいていたけれど、おじいちゃん本当に仕事をたくさんしていたみたいです。納骨で教会に行った時、教会の方が、「栄吉さん、栄吉さん」、っておじいちゃんのことをよく話してくれていました。神父さまは、彼のオフィスの棚を栄吉さんが作ってくれたって見せて下さったんですが、「あー、おじいちゃんのだ!」ってすぐ分かる彼の仕事の跡が残っていました。おじいちゃん。。。おじいちゃんがたくさん仕事した土地で、私も人の心に残る仕事したいなって思いました。

アミカルモン、おじいちゃんに見せたかったな。おじいちゃんに着けてもらいたい棚、あるんだけどな。

って、思うけれど、私もいい歳です。しっかり自分で頑張らなくては。


ロラソのお客様もいらっしゃるこの土地で、自分のお店を持つことができて、本当に感謝でいっぱいです。

問題は継続していくことなんですが、、、むむむ、、、とにかく、私の信じる道を進んでみます。たぶん、どうにかなる、いや、絶対どうにかはなるもんね(笑)。
一緒におやつって美味しいね、ってたくさんの人と笑顔になれるように。

ロラソで使っていたパン棚は、一つ棚を取ってベンチにしています。おじいちゃんの遺作ですから。

洗面の下には、ロラソでレジ横にあったパンスライサーを乗せていた棚を切って置きました。サイズがピッタリでびっくりです!おしゃれに見える!!


おじいちゃん、どうもありがとう。

今日はおじいちゃんの101歳の誕生日でした。

Café Amicalement     カフェ アミカルモン

パティシエ母さん・アッコの、お菓子の美味しさと楽しさを共有するカフェです。 たまごは平飼い、マーガリン・ショートニングは使いません。

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